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第41回オンブズマンアカデミー

テーマ:地方自冶体の包括外部監査


 講 師:光成卓明(本会副代表・弁護士)
 日 時:2006年12月9日(土):14時〜16時 NTTクレド17階ウイズセンター会議室

 外部監査制度は次のような趣旨のもとに、平成11年(1999年)度から導入された。
1)地方公共団体の監査機能の専門性・独立性の強化
 ・地方公共団体の組織に属さない外部の専門的な知識を有する者の監査を導入することにより、監査機能の専門性・独立性を一層充実させる。
2)地方公共団体の監査機能に対する住民の信頼性の向上
 ・外部からの目による監査を導入することにより、地方公共団体の監査機能に対する住民の信頼性を高める。

講師の光成氏
講師の光成氏
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【講演の概要】
 包括外部監査制度が実施された経緯から始まり、岡山県・岡山市・倉敷市は2000年度から実施された。都道府県、政令都市は必須でそれ以外の市町村は条例で定めている場合は実施している。監査人の資格は弁護士・公認会計士・税理士・「職務精通者」とある。採用者は公認会計士が約80%、弁護士が約20%くらいである。予算は1400万円〜2000万円だが、補助者が相当数必要で、収入は少ない。
 全国オンブズマン連絡会議でも制度発足以来、全国の監査結果を集め5段階評価の通信簿(イエローブック)を作成している。私と和田(副代表・税理士)が中国地方を担当しているが、1件あたりのページ数が多いため、精読するのにかなりの時間がかかる。
   通信簿は自冶体や監査法人が注文しているので、担当者は必読になっているらしい。監査結果は読んでいて非常に勉強になる。監査請求にも使えそうだが、1年を徒過しているので問題があ。中国5県のうち、優れているのは島根県で少し下がって鳥取県・福山市が上げられる。優秀な監査の出来る前提条件としては、自冶体側に耳の痛いことがいえる姿勢があること。やる気があること。補助者とのチームワークが良いこと等が上げられる。
 私は、監査人に自冶体の財政について明確な問題意識があることに基づき監査していること。かつ、初めの問題意識にこだわらず柔軟性があること。初期調査が幅広く、全般をおさえていること。加えて重点項目の調査が詳細でつっこんだものであること。監査人の意図する以外の問題点から逃げないこと。行政側の意見を聞き、それに対して監査人自身の見解を明らかにしていること。報告者データ、その説明、意見等が明確な形で十分な量記載されていること。提言が具体的で、行政が活用できること。素人でも読みやすく、理解しやすいこと等です。

熱心に聴講する会員ら
熱心に聴講する会員ら

【島根県2005年度監査はどこが優秀か】
1)監査に臨む基本的な姿勢が明確、かつ報告書に明記し丁寧に記載。
2)監査の進め方が非常に組織的・論理的で理にかなっている。まず大きなテーマを決め、広く浅い調査(網羅的)をやりそれを検討して重点項目を決めて詳細に調査し、最終的にテーマ全体に通じる一般原則を導く努力までしている。
3)制度・運用の改善の意見が、どれも非常に具体的で、行政側がそのまま実行できるほどだ。しかも基本姿勢が明示されあいまいさがない。
4)誰にでもよみやすいよう工夫して書かれている。
5)しかも、監査のスケジュールの進行にあわせて経過や論理の過程を全部記載している。いままでにも読む者に配慮した報告書はあったが、ここまで徹底したものは初めてで、感動ものでありピカイチである。

<注>監査報告書は島根県HPに掲載しています。


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