まず、開示請求したのは
・平成14年5月17日「公用自動車に係る文書」である。1)平成13年度末現在「車歴表」
2)平成11年度〜12年度の間に購入した公用車に係る、支出伺書 入札結果調書(随意契約の場合は
当該契約書)、支出負担行為決議書
3)専属運転者が職員以外の場合は、雇用契約書。(但し13〜14年度分
・開示は膨大な量で、開示延長の末、平成14年6月10日、113部署にわたり、の「車歴表」と、
2)財政課のみ、3)は実施の事実なしで不存在、総枚数1,772枚 に及んだ。
【車歴表】
・文書量の95%は車歴表で、これらは公用車1台の戸籍簿であり購入年月日、車両形式、各年度(主に平成元年から)ごとの年間走行距離と累計・年間消費燃料量・同オイル・年間修理費と累計・年間稼動日数が克明に記録されたものである。請求時に軽自動車を除くよう言ったが文書に記載がないため全部出てしまった。このため長時間の分析・集計が必要となり、止む無く1,020台中756台を抽出(別表4ページ:部局別・稼動率分類表)することにした。
「総台数と車種分類について」
・車種は多様で「軽四」にしても軽乗用・軽トラ・軽ダンプ・軽箱バンとあり、軽四でくくった。
・普通貨物自動車でもライトバン・トラック・クレーン付特殊車があり普通バンの範疇にいれた。
・トラックは普通車以外の大型をトラックとして分類した。
・乗用車はいわゆる、黒塗り高級車から単なる普通車まで多様だが、乗用車とした。
・特殊車両があるが、大型でクレーン付・検査用車両・測定車両などがふくまれた。
・バスだが極めて少ないが分類項目に入れた。
以上を纏めると下表になる。<参考値>
保有台数はともあれ、目的は県有資産が有効に使われているか否かが調査目的であるから、正確な台数は管財課にお聞き頂きたい。
軽四
バン トラック 乗用車 特殊車 バス 合計 226 608 62 110 12 2 1,020
【購入状況】
・用度課決済による11年度は購入台数32台だ。 内訳をみると、小型貨物21・普通貨物4・小型乗用5・普通乗用1・乗合自動車1の合計32台、総金額77,179,900円、三菱系が90%を占め随意契約である。
・12年度は小型貨物28・普通貨物4・小型乗用4・普通乗用2・特殊用途2で計40台金額82,148,035円である。契約方法は33件中8回の入札が行われた。これは三菱のリコール問題が発生したための臨時措置であり、また使用部署より特別に車種指定などがあれば、三菱に限らない。(用度課・大久保さん)
【サンプル抽出の狙い】
前述したが1000台強を、追跡するだけけのエネルギーはない。そこでまずトップグループ(知事・副知事等)の黒塗り公用車全部と年間平均稼動率(別紙資料:No.1・No.2)が極めて高いもの、極めて低いもの等9台を選び分析を試み、運転状況を見るため運転台帳を平成13年8月と14年3月2ケ月分を無作為抽出した。
No.1『知事公用車』車種は「デボネア」特殊車両である。
特殊の意味は「緊急車両」として運行が認められているので、赤点灯ランプの使用ができる。
平成8年10月の購入、専属運転手付き。2ヶ月の稼動日数は50日、運行範囲は市内使用が16件(32%)市外19件(38%)空港15件(30%)であった。 市内を見ると運行開始午前8時30分がほぼ全体をしめるが、13年8月20,21日は20Km、16Kmの走行で18:40と、19:20の帰庁である。この間運転手はどうしているのだろうか? また13年8月2日、3日、日応寺へ行き帰庁が17:20、22:30とあり、長時間の運行経路の記録がない。
・No.2&3 『副知事公用車』
「デボネア」2台が専用である。購入は2台とも平成4年12月同時期。本田・山口副知事車は年間稼動率100%以上で休日も稼動している。
本田車は市内17件(44%)市外14件(36%)空港8件(20%)と市内運行の比率が高い。
山口車は市内30件(67%)市外12件(27%)空港3件(6%)と圧倒的に市内利用だ。
運転台帳による発車時刻と帰庁時刻も知事車同様、市内においても長時間運行であり、運転管理に疑問が多い。
No.4『室長他専用車』 「デボネア」購入、平成4年3月。稼動状況は83%でまずまずの運行とみるが、市内29件(88%)市外4件(12%)空港0件(0%)となって市内を乗りまわしている勘定。運行時間も市内へ8:30発、帰庁17:40と判で押したような記録だ。不思議なのは長時間に同乗者無しが目立つ。空車で運行か?
No.5『三役予備車』(13年度、14年度8月運転台帳全部開示)
「トヨタ・センチュリー」、購入はH4年3月。稼動率は12%と極めて低い。13年度で4月1件(市内)・5月1件(市内)・6月1件(市内)・7月4件(市内他)8月、9月はゼロ・10月1件あ8市内)等など<資料N0,2‐1参照>で休眠状態である。14年度に入り出納長が専ら利用しているが市内が圧倒的に多い。
★★ No.11 『VIP専用車』(13年度、14年度8月運転台帳全部開示)
初耳だが、こんな車両があったのだ。車種は「トヨタ・センチュリー」購入はH2年9月、購入価格8,061,100円(今なら1千万円以上)。かなりオールドだが総走行距離2万Kmと少ない。そのはず、皇室・大使・大臣のご用達である。年間わずか18日の稼動。
13年度は「片山大臣来岡」・「寛仁殿下お成り」・「清子内親王お成り」でリハーサル3日間と本番3日間に付随運行があった程度だ。14年度は8月までに6月28日インド大使来訪1回の記録のみで記載不祥だ。
No,12『公聴広報課』 「トヨタセンチュリー」購入平成7年9月、稼動率27%と低い。市内18件(62%)市外7件(24%)空港4件(14%)。まばらに2〜3時間の運行だ。しかも専属運転手付き
No.15『学事課文書班』調査対象車種で唯一の「ライトバン三菱リベリヤーゴ」である。稼動率が低いのは古文書や歴史的資料の収集のために使用するもので、職務がら納得いくものである。
No,31『監理課』
「デボネア」、購入平成6年8月。稼動率が114%とすさまじい。2ヶ月間の情報では実態がつかめないが稼動日数を遡れば、H6(197日)・H7(291日)・H8(301日)・H9(279日)・H10(234日)・H11(233日)・H12(213日)・H13(202日)である。 部長・課長・担当と市内外を駆け回っているの分かる。
【黒塗り他、公用車の評価】
1)知事・副知事専用車については、何のことはない市内・少々市外・空港の範囲を専用運転手つきで巡回していることが分かった。市内や空港などはタクシーを利用した方が安上がりではないか。
2)三役予備車やVIP専用車に関しても常備する必要は感じられない。ハイヤーに替えた方がよい。
全体に運転台帳や車歴表の記載不備が目立つ。部局別稼動率分類表の4ページ「評定」にある通り、車不用と思われるもの66台、全く不用が24台、記載不備20台で114台を指摘した。調査台数756台は全体の総台数の74%であり全公用車の一層の管理・監督が必要ではなかろうか。
3)稼動率40%以下と記載不備(車歴表)は下図のとおりだが、知事室・総務学事課を除き「87・食肉衛生保健所」「2-1〜2-4・高等技術専門学校」「4-1・岡山振興局関係」「5-11・県農業総合センター」「5-13・県総合畜産センター」「5-17・林業試験所」「6-1・企画振興部地域振興課」「6-11・生活環境部自然環境課」「6-13県環境保護センター」などが目立つ。
整理
No
所管課
40〜21
20〜
記載
不備
備 考
1
知事室
0 1
0
三役予備車(説明済み)
11
総務学事課
0
2
0
VIP車・文書班(説明済み)
18
税務課
0
0
1
21
消防防災課
0
0
1
28
大阪事務所
0
0
1
導入直後
46
下水道公社
1
0
0
59
健康対策課
1
0
0
72
県立病院
1
0
0
83
精神保健センター
0
0
1
86
公衆衛生看護学校
0
0
1
1台保有で1台ダメ
87
食肉衛生保健所
1
1
0
4台中2台
91
総合社会福祉センタ
2
0
1
寄贈車等あり車余分か
114
倉敷児童相談所
0
0
1
2‐1
美作高技専門学校
1
0
0
2‐2
津山高技専門学校
0
0
2
2‐3
倉敷高技専門学校
4
1
0
8台中5台遊びか?
2‐4
岡山高技専門学校
0
1
1
2‐5
県工業技術センター
0
1
0
2‐6
商工労働部工業振興課
0
1
0
〃部企業立地対策課
1
0
0
〃部中小企業総合指導センター
1
0
0
2‐7
用度課
0
1
0
普通乗合自動車
2‐8
井笠局健康福祉部
1
0
0
医療防疫車(2台中1台)
〃局建設部
2
0
0
〃局農林事業部
1
0
0
2-11
瀬戸内農業技術C
1
0
0
2-12
東備局総務振興課
2
0
0
〃局地域振興室
1
0
0
〃局健康福祉部
1
0
0
〃局環境保健所
0
1
0
〃局農林部
0
0
1
〃局農林事業部
1
0
0
〃局農林水産
1
0
0
〃局建設部
1
1
0
2-13
県家畜保健衛生所
1
1
0
2-16
建設部建設事務所
1
0
0
幹線道路建設事務所
2-17
玉野建設事務所
0
1
0
小計
28
13
11
3-2
倉敷局環境保健所
0
1
0
〃局健康福祉部
1
0
1
電気自動車
〃局建設部
1
1
0
〃局都市計画課
0
1
0
倉敷スポーツパーク・ダンプ
4-1
岡山局税務部
1
1
0
〃局健康福祉部
3
0
0
〃局農林水産事業部
2
0
0
〃局建設部
6
0
1
5-1
農林水産部畜産課
0
0
1
〃部農村振興課
1
0
0
〃部林政課
3
0
0
5-11
県農業総合センター
6
1
0
ダンプ(20%〜)と1台
5-12
生物化学総合研究所
1
0
0
1台保有
5-13
県総合畜産センター
4
2
4
5-15
水産試験所
2
0
0
5-17
林業試験所
1
1
0
6-1
企画振興部地域振興課
1
1
0
3台中2台
6-10
岡山空港管理事務所
1
0
0
乗用車
6-11
生活環境部県民生活課
0
0
1
〃部自然環境課
3
0
0
6-12
県立美術館
0
0
1
2台(乗用・バン)バン不備
6-13
県環境保護センター
1
2
0
1台、電気自動車
小 計
38 11 9 合 計
66
24
20
以上<分析:池田、重田><文責:重田>