(第2章)オンブズマンは、本気でやります〜
私たち市民オンブズマンおかやまは、岡山市下水道事件について、これまでに次のような行動をしました。
9/27 市長に対し事実の究明と責任者への賠償請求を求める申入書提出。
(申入書全文を掲載)
11/4 市長に対し、再度申入書を提出。
(申入書全文を掲載)
11/4 市長・市議会に対して、次の書類全部の公開を要求。
1.昭和45年度から平成11年度までの、
・ 国または岡山県に提出した、地方交付税交付金算定資料に関する報告書・資料等の一切の書類及びそれらの添付書類全部。
・ 地方交付税交付金の算定資料とするために、岡山市下水道局から岡山市財政局または岡山市長あてに提出した資料・報告書・伺書等の一切の書類 及びそれらの添付書類全部。
2.平成10または11年度において岡山市が行った下水道利用人口及び同普及率の見直し調査に関する、報告書・稟議書・伺い書・資料その他一切の書類及びそれらの添付書類全部。
3.平成11年度において岡山県が昭和45年度以降の岡山市の下水道利用人口及び普及率について行った検査に際して、岡山市から岡山県に対して提出した、報告書・資料・伺い書その他一切の書類及びそれらの添付書類全部。
4.昭和45年度から平成10年度までの岡山市の下水道利用人口に関して、平成11年度において岡山市が自治大臣に提出した書類及びその添付書類の全部。
5.前項の書類提出に関して岡山市内部で作成された稟議書・伺い書・資料その他一切の書類及びそれらの添付資料全部。
6.岡山市が平成11年6月4日におこなった、市長萩原誠司に対し減給2か月、助役菱川公資、時枝繁に対し各減給1か月下水道局長大森信慈に対し文書による訓告、下水道局管理部長小西常夫・建設部長長塩久に対し口頭厳重注意、に処した各処分についての、処分書、理由書、稟議書、理由書、伺い書、その他添付書類一切。
7.平成11年6月及び9月各定例市議会の、本会議、総務委員会、及び建設委員会の議事録全部。
8.平成3年12月定例市議会の、本会議及び建設委員会の議事録全部。
私たちは、今ちょうどベンチからグラウンドに出たところです。
私たちは、すでにこの問題に取り組むプロジェクト・チームを作りました。
私たちは、本気でやります。
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申 入 書
岡 山 市 長
萩 原 誠 司 殿
平成11年11月4日
岡山市乙多見347番地
市民オンブズマンおかやま
代 表
東 隆司
副代表 須藤暁子
同 光成卓明
申 入 の 趣 旨
1.岡山市の下水道利用人口の虚偽申告に関して、国から岡山市に対して支払を命ぜられた加算金21億1900万円のうち、昭和55年度分から平成10年度分までの19ケ年分について、速やかに責任の所在を究明し、市に対して賠償責任ありと考えられる者全員に対して、損害賠償請求の措置をとられたい。
2.上記の究明および賠償請求の全過程については、全市民に対して、そのつど余すところなく公表せられたい。
3.とりわけ、昭和55年度分にかかる加算金については、不法行為者に対する損害賠償請求の除斥期間(行為のときより20年)が切迫していると考えられるので、万が一にもこれについて除斥期間の徒過によって損害賠償請求が不可能となることのないよう、緊急の措置を講ぜられたい。
申 入 の 理 由
1.さる9月16日、国(自治省)は、岡山市に対し、下水道利用人口の報告に関して、「資料に作為を加え、虚偽の記載があった」として、昭和45年度から平成10年度までの29年間の交付金のうち19億8500万円と、これに対する制裁としての加算金21億1900万円、合計41億400万円の返還を命じました。岡山市はすでにこれを支払ったと聞いております。
2.国から支払いを命ぜられた金員のうち、加算金部分の21億1900万円については、当時の市の責任者が虚偽の数値を報告することがなかったならば、岡山市が支出する必要のなかったはずのものです。
してみれば、岡山市は、当該虚偽報告について責任のある者に対して、民法709条に基づき、損害賠償請求権を有しているはずであり、これは市の資産といえるものです。
そして、市の資産とは、市民全員の共有財産にほかなりません。
3.民法上の不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が損害を知ったときから3年を経過することによって時効消滅します。また、行為がなされたときから20年の除斥期間を経過することによっても消滅します。
市が往時の虚偽報告の責任者に対する請求を行わずにいれば、本来市が有している賠償請求権は、次々に時効によって消滅してしまいます。
従って、当時の責任の所在の究明と責任者に対する賠償請求の措置は、市にとって焦眉の課題です。
4.これらの不正行為の究明・請求の過程は、密室状態で行われるべきではなく、その進捗状況と到達結果は、逐一全市民に対して明らかにされるべきものと信じます。
なぜならば、これらは市の、すなわち市民共有の財産にかかわる問題であり、その状況を知ることは市民ひとりひとりの当然の権利です。
このたびの不正の発覚により、さらにそれが全国に報道されたことによって、心に傷を負わなかった岡山市民はひとりとしておりません。この不正行為の責任の追求過程は、全ての市民が最大の関心と不安とをもって注視しているところです。
さきの不正行為自体を、29年の長きにわたって続けることができた最大の理由は、それが市庁舎という密室の中で処理されてきたからにほかなりません。市の行政に対する市民の信頼(それは、今回の事件によって地に堕ちております)を回復するために、調査・追求の全過程を市民に対して公表することが必要不可欠です。
5.さきに述べたとおり、不法行為に基づく損害賠償請求権は、行為の時点から20年が経過することによって消滅します。交付金算定のもととなる下水道利用人口についての報告が、毎年度いつの時点でなされるのかはわれわれ市民にとって詳らかではありませんが、翌年度分交付金にかかわる報告は、前年度下半期中になされるのではないかと推測いたします。してみれば、昭和55年度分にかかわる加算金に関しては、20年の除斥期間の経過が目前に近づいているのではないかと思われます。その期間を徒過すれば、昭和55年度分にかかる加算金分の賠償請求権は消滅してしまいます。この請求権を消滅させないためには、市において緊急に責任の所在を調査し、法的賠償責任のある者に対する訴訟提起その他の措置をとらなければなりません。
6.もし懈怠によって請求権を失うようなことがあれば、それは市民全体に対する背信行為となり、全市民が市当局に対して抜きがたい不信を懐くことになりましょう。
そのようなことがないことを信じつつ、かつ祈りつつ、本申入を行うものであります。