(第3章)「9月16日」



                                        野曽君男

かねてより不思議に思えり、わが家に下水の来ぬを。

    普及率の数字は伸びるも、下水管はわが家へ延びざるを。

        露思わず、数字は29年間水増しにして、くすねたる交付金19億とは!

               作為の虚偽と責められ、罰として加算金21億とは!

                   (さりながら、ああ、19億円、なぜ今もって下水は来ざるや?)

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忘るべからず9月16日、そはわれら岡山市民の恥辱の日。

    マスコミの好餌となりて、全国に醜聞の流布せし日。

        しかも加算金21億円、その財源はいずこにありや?

                土地を売れど事業を削れど、帳尻は市民に来るにあらずや?

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忘るべからず9月16日、そはわれら市民の悪夢の日。

    不正は終始当局者にあり、断じてわれら市民にはあらず。

          されど恥辱はわれらが心を刺し、損害はわれらが財布を侵す。

                忍ぶべきや、かかる非理を?耐えるべきや、かかる無道に?

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われらは責任の究明を欲してやまず、その償いをば求めてやまず。

    もし当局にその心なくんば、われら市民自ら追求に起たん。

          われら自身の手にて辱を雪ぎ、自らの誇りと財布とを救わん。

                 忘るまじ9月16日、そをばわれらが壮挙の起源の日となさん。

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