平成19年9月12日
岡山県議会議長
天 野 学 様
NPO法人市民オンブズマンおかやま
代表幹事 重田龍三
陳 情 書
一、陳情の主旨
岡山県議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例(以下「条例」という)第3条3項の費用弁償の規定は妥当性を欠くものであるから改正を求める。
二、陳情の理由
条例第3条3項は議員が本議会、委員会へ出庁するごとに支給される費用を支弁する、いわば出庁に係る旅費を定めた規定であると思料するが、当会が平成19年7月18日、情報公開請求により開示を受けた文書「平成18年度、岡山県議会議員に支払われた招集に応じて旅行する場合における議員個人別費用弁償支払金額の明細」によれば招集に応じて出庁する費用としては、きわめて過大な金員が執行されていたことが分かった。
条例の根拠法は、地方自治法第203条3項「第1項の者は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる。」との規定によるが、議員が出庁して本会議・委員会などに出席して議会活動をおこなうことは当然の職務であり、それらに対する費用弁償は議員報酬・賞与・政務調査費等で支給されている。それにもかかわらず、当該条例において、日当の意味合いを持った趣旨の費用弁償をすることは社会通念上、常識を大きく逸脱したものである。
議員の自宅から議会庁舎まで公共交通機関を利用し出庁した場合の全議員の交通費の試算額は6,057,121円であった。
ところが、実際執行された費用弁償金額は43,247,800円で当会の試算額との差額は37,190,679円にもなる。
そうだとすれば、平成18年度の議員の出庁日数3,659回×3,000円とすると10,977,000円で費用弁償支給総額との差は32,270,800円。さらに実費交通費を除いてしても26,213,679円となり、過大な支給は明らかである。
当該費用弁償はJRやバス等の公共交通機関の実費交通費に改めるべきである。また近時自家用自動車による登庁もあり、距離に応じた燃料費の支弁も改正条例に規定するべきである。
岡山県人事委員会規則第13号、通勤手当てに関する規則第6条には「交通機関等に係る通勤手当の額は、運賃、時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路及び方法により算出するものとする。」と規定していることからも本条例第3条3項は支給目的が極めて曖昧であり、妥当性を欠くもので、実費計算に基づく条例に改めるべきである。
財政危機が叫ばれて久しいが、財政改革の旗手たる議会は、まず「隗より始めよ」の姿勢が肝要であり、お手盛り条例に執着せず、議員自らが襟を正し一層の経費削減を行うことは当然で、そうすることによって納税者から一層の理解を得られることができるものである。
以上
平成19年9月12日
宮武 博 様
NPO法人市民オンブズマンおかやま
代表幹事 重田龍三
陳 情 書
一, 陳情の主旨
議会の議員の報酬及び費用弁償に関する条例(以下「条例」という)第5条第2項、費用弁償の規定は妥当性を欠くのであるから改正を求めます。
二, 陳情の理由
条例第5条第2項は議員が定例会、各種委員会のため出庁するごとに支給される費用を弁償するいわば、出庁に係る交通費を定めた規定であります。しかし当会が平成19年8月7日に開示を受けた「平成18年度、平成19年6月30日までの登庁に係る費用弁償の支払いがわかる文書」では交通費としてはきわめて高額な支払いが執行されていることが分かりました。
当会は平成18年1月25日、貴市議会議長花岡薫氏あてに同様な主旨の「申入書」を提出しました。その結果同年8月29日、議会運営委員会で平成19年3月31日までの期限付きで条例の一部を改正し、一律2,500円の減額を決議しました。
しかしながら、平成19年5月議会から、公用車使用に係る費用弁償2,500円を廃止したことは当然ですが、元の条例の規定である5km以上5,000円、5km以下4,500円の支給に戻したことは市民にとって納得のいかない背信行為であります。
交通費として支弁されるなら、あくまでも自宅から議会庁舎まで公共交通機関を利用した実費であるべきで、これに基づき実費を試算すれば平成18年度分合計額は2,347,476円であります。ところが、実際の費用弁償金額は平成18年4月から9月まで7,072,500円、同年10月から19年3月まで4,521,500円、18年度合計は11,594,000円でした。
実費による試算額との差額は9,246,524円にもなります。費用弁償とは、一般的に「職務を行うために要した経費を補うために金銭を支払うこと、又はその金銭」と解釈されていますが、条例第5条第2項が定める1日当たりの費用弁償は出庁に要する経費を大きく上回っており、極めて妥当性を欠くものであります。
議員の職務は出庁し立法に関する職務を遂行することにあり、そのために月額報酬、年間賞与、第二の報酬といわれる政務調査費、国内外視察(旅行)費用弁償などが認められ、それらの給付があるにもかかわらず、出庁にかかる実費以外に日当の意味合いを持つ支払いがされているいとしたら、課税対象とされるべきであり、租税負担公平の原則にも違反しています。
岡山市職員等の旅費に関する条例施行規則(以下「施行規則」という)第12条第1項には「市内出張を命ぜられた職員が、公務上の必要により交通機関を利用し、直接実費を負担する場合は、その実費額を市内旅費として支給する。この場合において、利用する交通機関の種類及び経路は、最も経済的な方法によるものとする。」と規定しています。同規則に比べても本条例外5条第2項はきわめて妥当性を欠くものであります。
財政危機が叫ばれて久しく、財政改革の旗手を努めるべき議会において、まず「隗より始めよ」の姿勢が必要であり、議員自らが襟を正し一層の経費削減を行うことは当然であり、立法府がお手盛りの条例に執着することは政治不信の原因であります。