県議会の情報公開「検討指針案」に対するコメント

岡山県議会議長 古市健三殿

岡山県議会の「情報公開に係る検討指針(案)」についてのコメント(99年12月に,県議会から「検討指針(案)」が出たので,それに対してオンブズマンが発表したコメントです。)

                                                 1999年12月21日
                                    市民オンブズマンおかやま 代表 東隆司

1.岡山県議会は、平成11年12月17日、「情報公開に係る検討指針(案)」を発表されました。それによると、議会運営委員会において議会の情報公開のあり方について、大略以下の方針により検討されるとのことです。
(1)当面、・委員会の傍聴、・委員会会議録の複写、・情報公開条例につき検討する。
(2)委員会傍聴は、モニターテレビ設置の是非について検討する。
(3)委員会会議録の複写の是非については、委員の自由な発言の保障の必要性及び情報公開の観点から総合的に検討する。
(4)情報公開条例については、他県の状況、国会の動向、会派活動・政治活動の自由の確保の観点から総合的に検討する。
2.県議会の情報公開については、当オンブズマンが年来にわたって陳情を繰り返してきたところであり、ようやくにして(案とはいえ)議会の検討指針が示されたわけですが、具体的な提案がほとんど含まれていないので、当オンブズマンの詳細な見解の表明は、今後の議会における検討結果を待たざるをえま
せん。
現段階においては、以下のことを指摘して、議会のさらに精力的な努力を求めるにとどめます。
(1)検討指針案の文章および行間から判断する限りでは(いささか悲観的すぎる見通しかもしれませんが)、モニターテレビによる傍聴と、現在開示されている程度の委員会会議録の謄写程度しか、近々に実現の可能性がありそうなものはないように思われます。しかしながら、これらが実現したとしてなお、岡山県議会の公開度(閉鎖度)は、他の都道府県の本年6月現在の状況(全国市民オンブズマン連絡会議の「99年度議会閉鎖度ランキング」による)を対象に比較して、全国ワースト7
位に相当するものです。前記ランキングで高位(?)にランクされた各議会においては、おそらく汚名
返上のために相応の公開度向上の努力をされるであろうことが予測されるので、場合によっては、「改善」はしてみたものの来年もまた全国ワースト1だった、という事態すら考えられます。
(2)岡山県議会の閉鎖度が高い、と全国的に評価される主たる理由は、
ア.情報公開条例の実施機関となっていないこと、かつ、議会ないし事務当局が、そのことを理由として一切の情報提供や文書回答を拒むこと(そして時には嘘までつくこと)、
イ.一般に開示される委員会会議録が、発言者の記載もない、きわめて簡単な
「要旨」に止まっていること、によるものであり、これらが改善されなければ、岡山県議会の公開度はいつまでたっても全国の最下位レベルに低迷し続けるであろうことは明らかです。
ウ.さらに言えば、検討指針案に添付されている委員会室の広さ、出席者の人数、内訳から考えると(これだけの数の「執行部」の出席が実際に必要なのでしょうか?)、何故に一般の傍聴が認められないのかは、一般県民の目からは全くの謎です。
エ.岡山県議会が真の意味での公開に向かい、私たち岡山県民が全国的に恥を
かくことのない日が来ることを、心底から願ってやみません。