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岡山県議会平成22年度政務調査費住民監査請求(2012.04.18)

岡山県議会の平成22年度政務調査費の住民監査請求にあたって

NPO法人市民オンブズマンおかやま

 
1 岡山県議会の平成22年度の政務調査費の支出のされ方は、平成21年度とくらべて、良くなっていません。(一見、悪くなっているように見えますが、必ずしもそうではありません。その理由は、あとで説明します。)

2 いっぽう、領収書を添付しなくてもよかった平成20年度以前とくらべると、各会派とも、政務調査費の支出額は減りました。特に自民党の減り方が大きい。領収書を添付しなければならなくなった結果、それまでのような不適正な支出ができなくなったためだと考えられます。

3 自民党と無所属の議員は、いまの段階では、査定結果が実際よりも大幅に悪く出ます。その理由は、@個人名入りの領収書が墨塗りでしか開示されないこと、A議会事務局が添付書類を制限するため、広報紙の実物などの資料が開示されないこと、B自民党・無所属の議員は、オンブズマンが「任意に追加開示してほしい」と要請しても応じてくれないこと、のためです。裁判になってこれらの資料が提出されれば(平成21年度分の経験では)「OK率」は上がります。しかしそれにも限度があり、無所属で50%程度まで、自民党で30%程度まででしょう。

4 平成22年度は選挙直前の年だったので、広報費・事務所費・人件費について(選挙準備費用の混入をチェックするために)査定基準を厳しくしました。自民党の「OK率」が平成21年度よりも大幅に下がっているのはそのためです。

5 しかし、こうした事情を考えても、自民党の政務調査費支出の「OK率」はたいへん低いものと言えます。岡山市議会の保守系会派の「OK率」は平均50%程度であり、それにくらべて県議会の保守系議員の「OK率」の低さはきわだっています。その主な原因は、次の3つだと考えられます。@県議団の「団費」の60%超(金額にして800万円超)が、自民党県連に家賃・人件費として支払われていること、A事務所家賃・人件費の按分が十分でない議員が多いこと、B議員が経営する会社に家賃や人件費を支払っている議員が何人もいること、です。

6 自民党以外の会派でも、「不適正」の額の大半は「按分不十分」です。政務調査費の按分支出を、どのような支出についてどの程度しなければならないかは、裁判所の判決例がほぼ固まっている分野(事務所費など)もあります。そうした基準にもとづいても、岡山県議会(とりわけ自民党)の政務調査費の支出には不適正なものが大量に含まれています。

7 県議会が、平成21年度分について経験したのに、あいかわらず、収支報告に添付する書類を制限したり、個人名入りの領収書を墨塗りで開示し続けていることは、はなはだ問題です。このような公開のあり方では、政務調査費の使いみちを県民に説明する責任を果たせていません。

8 今回の監査請求の直前にわかったことですが、一部の議員(大半が自民党)は、「1万円以下の支出」(つまり、領収書を提出しないでいい支出)が異常に多くなっています。「1万円以下の支出」は、全議員の平均では20%台なのですが、これが50%を超える議員が何人もいるのです。そうした議員の収支報告書を追加分析したところ、「調査研究費」「研修費」「会議費」などの、本来まとまった金額の支出になるはずの費用について、領収書が提出されていない支出が非常に多い、ということがわかりました。「1万円以下の支出なら領収書を提出しなくても良い」という制度を悪用して、提出しなければならない領収書を出さずにすませているのではないか、という疑いがたいへん濃厚です。18日の監査請求に盛り込むには間に合いませんでしたが、目に余る議員については、今月中に請求を追加するつもりです。

9 市民オンブズマンおかやまは、平成21年度の政務調査費について住民訴訟をおこし、いま岡山地方裁判所で審理中です。しかし、平成22年度の状態を見ると、政務調査費の支出のあり方を変えさせるには、裁判を起こしただけでは十分ではなかったとわかりました。

 私たちは、判決が出され、確定して、議会自身が政務調査費のあり方を変えなければならなくなるまで、住民監査請求と裁判を起こし続けるつもりです。


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