岡山県職員措置請求書
1 岡山県知事に対する措置請求の要旨
岡山県知事が、平成16年度に岡山県議会議員蜂谷勝司に交付した政務調査費420万円のうち金341万9620円、及び、平成17年度に岡山県議会議員蜂谷勝司に交付した政務調査費(残余金精算後の額)295万4870円のうち金213万4870円の返還を同人に対して請求することを怠る行為は違法なので、同金額について蜂谷勝司に対して岡山県に返還するよう請求することを求める。
2 措置請求の理由
(1)岡山県は、岡山県議会議員蜂谷勝司に対して、
@.平成16年度の政務調査費として、平成16年4月1日ころ金105万円、同年7月1日ころ金105万円、同年10月3日ころ金105万円、平成17年1月4日ころ金105万円、合計金420万円を交付し、
A.平成17年度の政務調査費として、平成17年4月1日ころ金105万円、同年7月1日ころ金105万円、同年10月3日ころ金105万円、平成18年1月4日ころ金105万円、合計金420万円を交付した。
度の政務調査費は残余124万5130円を生じたとして同金額を返還した。
(3)岡山県議会の政務調査費の交付に関する条例(以下、単に「条例」という)
第7条は「議員は政務調査費を別に定める使途基準に従い使用しなければならない。」
と定め、第10条は「知事は、議員がその年度において交付を受けた政務調査費の
総額から、議員がその年度において行った政務調査による支出(第7条に規定する
使途基準に従って行った支 出をいう。)の総額を控除して残余がある場合は、
当該残余の額に相当する額の政務調査費 の返還を命ずることができる。」
と定めている。
条例第10条に定める知事の返還請求は、羈束行為であり、<議員がその年度に
おいて行った政務調査による支出(第7条に規定する使途基準に従って行った支出を
いう。)の総額を控除して残余がある>ことを要件として返還請求権が当然に発生
し、知事が正当な理由なく請求権を行使しないことは違法に財産の管理を怠る事実に 該当することになる。
調査研究費 198,000円(交通費)
研修費 908,620円(研修会参加費 605,000円)
(交通費 303,620円)
会議費 755,500円(会場借上料 490,000円)
(会議資料印刷費265,500円)
資料作成費 138,500円(印刷費)
資料購入費 310,380円(新聞購読料 180,380円)
(図書購入費 130,000円)
広報費 280,000円(広報紙印刷費 150,000円)
(送料 130,000円)
事務所費 695,000円(事務所借上料 600,000円)
(光熱費 95,000円)
事務費 614,000円(備品購入費 320,000円)
(消耗品費 294,000円)
人件費 300,000円(アルバイト賃金)
(5)蜂谷勝司は、平成18年4月28日、岡山県議会議長あてに平成17年度政務 調査費収支報告書を提出し、政務調査費の使途について、次のとおり報告した。
調査研究費 0円
研修費 0円
会議費 0円
資料作成費 340,250円(印刷費)
資料購入費 430,000円(新聞購読料 220,000円)
(図書購入費 210,000円)
広報費 345,000円(広報紙印刷費 200,000円
(送料 145,000円)
事務所費 789,000円(事務所借上料 600,000円)
(光熱費 189,000円)
事務費 660,620円(備品購入費 326,500円)
(消耗品費 334,120円)
人件費 390,000円(アルバイト賃金)
(6)しかるに、以下の理由から、蜂谷勝司の上記各報告にかかる政務調査費の使途は、資料購入費中の新聞購読料、及び事務所費中の事務所借上料を除いて、架空のものであり、その余の、平成16年度につき金341万9620円、平成17年度につき213万4870円は、条例第10条にいう「残余」にあたる。
@.蜂谷勝司は、岡山県議会の本会議に、平成16年度には33回開催中6回、平成17年度には33回開催中7回しか出席していない。
同人は県議会で、平成16年度には文教委員会、青少年対策・男女参画特別委員会、議会運営委員会に委員として所属していたが、文教委員会には26回開催中出席1回、青少年対策・男女参画特別委員会には10回開催中出席0回、議会運営委員会には21回開催中出席2回である。
また、平成17年度には文教委員会、地域振興特別委員会に委員として所属していたが、文教委員会には23回開催中出席1回、地域振興特別委員会には10回開催中出席0回である。
同人は、平成16年度・17年度の全期間にわたって、議会での議員活動を実質的に休止している。
A.平成18年1月に、本市民オンブズマン代表幹事重田龍三らが、蜂谷勝司の平成16年度の政務調査費420万円を県に返還させることを求める住民監査請求を行った。その際、新聞の取材に対し「蜂谷県議側」は、「本人は現在も病気療養中で、議会に足を運べないことが多かった」と述べた。
平成16、17年度における蜂谷勝司のものとされている欠席届は、本人署名欄が全て記名判または印刷で、押印欄には捺印が全く無く、理由は全て「都合による」とのみされていて(平成17年2月以降はこれさえ印刷)、届出は(届出日時の記載があるものでは)大半が当日朝の電話によるものとされている。電話が本人によるものか否かも不明である。
このような状況に、前記の議会出席状況をあわせ考えれば、蜂谷勝司が深刻な「療養」中であって、政治活動を行うことが実質的に不可能な状況にあることは明らかである。
B.してみれば、蜂谷勝司の政務調査費収支報告書が、同人が政務調査研究のための交通費を費やし、研修会に参加し、自ら会議を催し、資料を印刷し、図書を購入し、広報紙を発行し、事務所の光熱費を要し、備品や消耗品を購入し、アルバイトを雇用した如く記載し報告しているのは、全て虚偽であることが明らかである。
(7)よって、岡山県知事が蜂谷勝司に対して前記の政務調査費の残余金の返還を請求しないことは、財産の管理を違法に怠る事実に該当するので、地方自治法第242条第1項の規定に基づき、証拠書類を添付して、頭書のとおり、厳正な措置を請求する。
住所
氏名 認定非営利活動法人市民オンブズマンおかやま
代表者代表幹事 重田 龍三