市政調査研究費に、初の[監査請求]


再三本欄で取り上げてきました、岡山市議会議員に対して監査請求を行いました。
議員へ毎月 135,000円支給される「市政調査研究費交付金」はほとんどの自治体で「第二の報酬」と言われているものであります。
何故なれば、会派代表に直接支給され議員の「調査研究費」として使われ、しかも「ノーチェック」。
公文書請求により閲覧できる年度終了後の決算報告書からでは、会派ごとに科目が統一せず、詳細は深い霧のなかです。
会派への支給は毎年4月、10月(いずれも10日迄)で、監査の対象は執行後一年以内に限定されていますので、10年度分(下期)執行に絞り、11年10月1日の請求としました。
「ガソリン代」「タクシー代」に認定したのは、費消目的が領収書の有無で、私的か公務かが判断しやすいからです。

議会事務局は決算報告書に付随する、帳簿・伝票類は会派の保管するものとして、全く感知せず、不存在です。
決算書は議長から市長へ行き承認というプロセスを踏むもので、事務方が付属書類のコピーすら保管していないのは、おかしなはなしです。
議長も市長も「目くら印」を押すのなら問題があります。
また、「市政調査研究費交付金要綱」なるものも、いいかげんなもので、何でもあり、のザル法であります。

千葉県佐倉市の要綱には「私用禁止」の条項を明確に規定しています。
また、決算報告書に付属す領収書も開示の対象となっています。
ごく当然の事ができない、岡山市議会の感覚は理解できません。
情報公開を「錦の御旗」に掲げ、情報非公開を公然とやりつづけることに市民はもっと「怒る」べきです。
議会をチェックするのは議員自身であるはずなのに、議員の中から問題提起されない現状は与野党そろって「同じ穴のムジナ」であるとしかいいようがないでしょう。
別紙「岡山市職員措置請求書」(一般に住民監査請求と言う)をご覧頂き、ご意見お聞かせ下さい。
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議員調査費の経緯と実体
1953年(昭和28年:吉田 第5次内閣)の時に「国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律」が施行され、会派に所属する国会議員1人当たり月額65万円(非課税)が支給されるはこびになった。会派活動の助成を目的とし自由に費消できるカネで使途先は「政策研究のため専門家の招聘」「資料収集」「図書購入」「調査活動」等である。

この手の制度をいち早く模倣するのが自治体である。(昭和35年以降)
都道府県単純平均で2億7810万円。議員一人当たり換算率平均額は東京都が最高の60万円(年額9億2160万円)。次いで埼玉、神奈川、愛知、大阪がそれぞれ50万円超。最低は和歌山、滋賀の23万円である。
当該研究費の使途は、知事への報告書提出や関係書類保存が5年と義務づけられているだけで、領収書の添付はどこにも求めていない。議会事務局側は「細かい各会派の行動まで知る必要はない」(東京)
「領収書の管理は当然、会派がやっている」(大阪)

<95年、引退した関東地方の自民県議談>
このカネは…3ヶ月に1回、会派代表の個人口座に数十万円が振り込まれ後援会事務所の秘書の人件費や車の燃料代、慶弔用電報の支払いの一部に使った。しかし、後援者に贈った生花代の領収書まで出てきたため、公職選挙法上まずい、と保存をやめた。
★ 96年(平成8年)中国地方の「政務調査研究費」
岡山県:(58名・現在56名)2億4360万円 (年)@420万円 (月)@35万円
・広島県:(70名) 2億9400万円 420万円 35万円
・山口県:(54名) 2億 88万円 372万円 31万円
・鳥取県:(40名) 1億2000万円 300万円 25万円
・島根県:(41名) 1億2300万円 300万円 25万円

★ (平成11年4月1日現在)岡山県内市議会議員の場合
・岡山市:(52名) 総額 8,424万円 (年)@162万円 (月)@135,000円
岡山市議会議員調査研究費交付要綱(昭和53年4月1日施行)
岡山市情報公開及び個人情報に関する条例にて公開

・ 倉敷市:(48名) 総額 8,064万円 (年)@168万円 (月)@140,000円
倉敷市議会議員市政調査交付金要綱(昭和52年4月1日施行)
倉敷市情報公開条例により公開

・津山市:(28名) 総額 1,176万円 (年)@42万円 (月) @35,000円
津山市調査研究費補助金交付要綱(昭和61年4月1日施行)
津山市情報公開条例により公開(H11年10月1日施行)

・ 玉野市:(25名) 総額 1,650万円 (年)@66万円 (月)@55,000円
玉野市議会市政政調査研究費補助金交付金要綱(昭和55年度より施行)
公開条例は検討段階・非公開。

・ 高梁市:(20名) 総額 320万円 (年)@16万円 (月)@約13,000円
委員会調査費として高梁旅費支給条例(昭和31年7月17日施行)

<以下ミニ五市>
・ 備前市:(22名) 個人調査旅費 (年)@60,000円(上限とする)
委員会調査旅費(年)@95,000円(上限とする)
一般旅費扱い。上限枠を超えない
・ 総社市:(24名) 総額432万円 年度当初に概算払い(年)@180,000円
年度末決算報告書、事業報告書提出後精算
市政調査研究費交付金要綱(平成3年4月1日施行)
・ 新見市:(18名) 委員会旅費 (年)@160,000円(上限)
一般旅費扱い。公開条例、平成11年10月1日施行
・ 笠岡市:(26名) 総額936万円 (年)@36万円 (月)@30,000円
事業計画書・実施計画書等、事務局が保有する文書は公開
笠岡市議会市政調査研究費補助金交付要綱(昭和59年4月1日施行)
・ 井原市:(21名) 総額210万円(三委員会に議員旅費として支給)
(年)@100,000円 (月)@約8,300円
一般会計予算、費用弁償支払
                                            <文責:重田>FP:4
                                   (一部、朝日新聞96/6/16号参考)